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2007年6月13日 (水)

ツール・ド・フランス -神話の時代、伝説の時代、黄金時代、そして現代

7/6発売のDVD『ツール・ド・フランス オフィシャル・ヒストリー 1903-2005』の監修を行って頂いた安家さんがonline shop用に作品解説を書いてくれました。
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ちなみにSHOPでは安家さんの著書『ツール100話』『ツール 伝説の峠』も販売しております。

まもなく開幕するツール・ド・フランス。

この3点セットで準備を整えてください。

それでは安家さんの作品解説お楽しみください。

『ツール・ド・フランス オフィシャル・ヒストリー 1903-2005』作品解説

ツール・ド・フランス — 神話の時代、伝説の時代、黄金時代、そして現代

安家 達也

 1903年、あるスポーツ新聞社が読者獲得のために企画した自転車によるフランス一周レースが、世界で最も過酷なスポーツイベント、ツール・ド・フランスの始まりだ。その100年以上に及ぶ歴史を追ってみると、当初は毎年のように次々とさまざまな「事件」が起きている。総合上位4位まで全員失格したこともあれば、圧倒的な強さで総合優勝を飾った選手が自殺してしまったこともあった。ピレネー山脈、アルプス山脈が次々とコースに組み入れられ、しかも当時のルールでは変速器は使用不可だし、故障やパンクはすべて選手が自分で直さなければならない。だから、当然のように毎年悲劇のヒーローが誕生した。ピレネーの山岳で折れたフォークを村の鍛冶屋で修理した選手もいた。神話の時代とでも言うべきこの黎明期には、現在では考えられないようなぶっ飛んだ逸話が満載だ。

 ツールには優勝を狙うエースばかりが参加しているわけではない。それは今も昔も同じだ。30年代半ばから第二次大戦を挟んで活躍したヴィエットのエピソードはまさにアシスト選手の鑑ともいうべきものだろう。

 一方フランスと並ぶ自転車大国イタリアからはバルタリとコッピという自転車レースの歴史を変えた二人の大選手が登場する。それに続いてフランスのボベとアンクティル、伝説的な二人の山岳スペシャリスト、ガォルとバーモンテスが登場。特に58年のガォルが16分以上の遅れを雨中のワンステージで取り返してしまう独走シーンも見ることができる。このいわば伝説の時代とでもいうべき時代では、今でも欧州では多くのファンが昔語りで若い世代に伝えている名選手達が目白押しである。

 良いことばかりではない、現在自転車レース界に限らず、あらゆるスポーツで急務の課題となっているドーピングについても、このDVDでは過去にさかのぼり、きれい事に終わらせずに描き出している。「魔の山」の由来となったヴァントゥーのシンプソンの薬による悲劇のTV映像も貴重なものだ。

 ツール史上最高のデッドヒートと言われる64年のアンクティルとプリドールのつば競り合いについで、史上最高の選手メルクスとメルクスのあとを継いだイノーの章では、彼らのライバル達との多彩なエピソードが次々と展開される。この時代はいわば自転車レースの黄金時代と呼べようか。

 87年のロッシュとデルガドの40秒差、89年のレモンとフィニョンの8秒差という僅差の勝負、それに対して90年代前半のインドゥラインの盤石の5連勝。そして記憶に新しいアームストロングの破竹の7連覇。現代のツールでは機材もサポート態勢も往時とは大きく変わったことがわかる。ただ、選手の情熱と観客の熱狂だけは100年前と同じだ。

 100年以上に渡るツールの歴史をこれほどコンパクトかつスピーディーに紹介したものはない。合間に往年の名選手でクラシックレースのスペシャリストだったショーン・ケリーのコメントが入るのもオールドファンにはたまらない魅力だ。

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